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『望んでくれるなら、ぼくは 勇者になろう。

 …代わりが もう、いるんだね。
 じゃあ、だれに なろう?』


『わるものが いないなら、
 ぼくが 悪になり
 うちやぶれ 彼に 名誉を 飾ろう。』

 


『「なりたいぼく」に なれたって、
 必要と されないんじゃ、なあ。』

 物語に入れずに 
 迷子になった

『「なりたいぼく」は だれだっけ?』

 見向きもされないまま
 ひとりぼっちでいるうちに
 忘れてしまった 

『宿屋が ないのなら、ぼくが ひらいてみよう。

 傷ついた戦士たちを、 楽しみに 待とう。』

『あらそいが ないのなら、
 ぼくが 敵になる。
 きみたちが 正義を、うたえるように。』

 


『「なりたいぼく」に なれたって、
 必要と されないんじゃ、なあ。』

 

物語に入れずに 
 迷子になった

『「なりたいぼく」は だれだっけ?』

 

見向きもされないまま
 ひとりぼっちでいるうちに
 忘れてしまった 

 

『きみ が、呼んでくれる なら、
 どんな 名前に だって、なろう。』

『きみ が、望んで くれる なら、
 どんな 姿にだって、なる。』

の に。

 

だれに なりたかった の、かな?
なにを どう したかった  の、かな?

流してきた 血と なみだの
意味が もう わから ない。
  


『「なりたいぼく」に なれたって、
 必要と されないんじゃ、なあ。』
 
夢みてた いつかの ぼくを
ぼくは 忘れてしまったよ

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